対象: 新Office365 Office 365 Enterprise, Office 365 Business, Office 365 Education
(この記事は 2015 年 5 月 18 日に Office Blogs に投稿された記事 De-Cluttering everyone’s inboxの翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
今回は、Exchange チームのシニア プロダクト マーケティング マネージャーを務める Brian Shiers と、シニア プログラム マネージャーを務める Kumar Venkateswar の記事をご紹介します。
昨年の秋に導入された Clutter 機能は、受信トレイから重要度の低いメールを移動し、重要度の高いメールを見つけやすくする機能です。現在、この機能によって 1 日に 100 万件を超えるメールが移動され、ユーザーあたり毎月平均 82 分の時間が節約されています。さらに多くのユーザーの皆様に Clutter を活用していただくために、6 月からこの機能を既定で有効化することにしました。また、管理者向けの新しい制御機能が導入されると共に、ユーザー エクスペリエンスも強化されます。
管理者向け制御機能
Clutter に管理者のための新しい制御機能が追加されます。まず、2 種類の PowerShell コマンドレットを導入しました。1 つは Clutter に関するレポートを作成するコマンドレット、もう 1 つはユーザーに対して Clutter 機能を無効化するコマンドレットです。これらのコマンドレットは、現時点で既にリリースされています。お客様の組織で Clutter の使用を管理する必要がある場合は、6 月に既定で有効化される前に、このコマンドレットを使用して無効化することをお勧めします。ここからは、これらのコマンドレットの一般的な使用方法について見ていきましょう。
次のサンプルでは、まだ Clutter 機能を有効化していないユーザーの Clutter 機能を無効化します。
PS C:\Scripts> Get-Mailbox | ?{-not (Get-Clutter -Identity $_.Alias).IsEnabled} | %{Set-Clutter -Identity $_.Alias -Enable $false} |
次のサンプルでは、管理者がユーザーの Clutter 使用状況を簡単に把握できるレポートを作成します。
PS C:\Scripts> $hash=$null;$hash=@{};$mailboxes=get-mailbox;foreach($mailbox in $mailboxes) {$hash.add($mailbox.alias,(get-clutter -identity $mailbox.alias.tostring()).isenabled)};$hash | ft |
今回の更新では、3 月に導入されたカスタマイズ機能が拡張されます。既存の通知オプション (送信者の表示名の変更、任意のロゴを使用したメッセージのブランディング) に加えて、管理者が Clutter 通知の返信先アドレスを構成できるようになりました。また、組織にとって重要なメッセージに Clutter 機能が適用されないように回避するオプションや、Clutter フォルダーに既定の保持ポリシーを適用するオプションも引き続き利用できます。
ユーザー エクスペリエンスの強化
Clutter のユーザー エクスペリエンスも強化されます。従来の通知が廃止され、Clutter が有効化されている場合にアラートと概要の通知が送信されるようになりました。アラートは、新しい種類のメールが Clutter フォルダーに初めて移動されたときに送信されます。1 日に送信されるアラートは最大 1 通です。概要の通知は毎週 1 回送信され、ユーザーは Clutter の動作を簡単に把握することができます。
次の図は、受信トレイに送信される新しいアラート通知の例です。
今回、すべてのユーザー向けに Clutter を有効化し、管理者の皆様からご要望が寄せられていた制御機能を提供するという重要な一歩を踏み出すことができ、たいへん嬉しく思っています。ぜひ新しい機能をお試しいただき、ご意見をお聞かせください。Office 365 ネットワーク (英語)でもフィードバックを受け付けています。
—Brian Shiers、Kumar Venkateswar
よく寄せられる質問
Q. 現在のテナントではいつから Clutter 機能が既定で有効になりますか。
A.先行リリース プログラムに参加されているテナントでは 6 月 15 日から、標準リリースのテナントでは 6 月 30 日から既定で有効になります。
Q. Clutter 機能が自動で有効化された後に作成したメールボックスでは、Clutter 機能が既定で有効になりますか。
A.はい。新しいメールボックスに対しては既定で有効になっています。管理者は、メールボックスが作成された後に、PowerShell コマンドレットを使用してこの機能を無効化することができます。
Q. Clutter 機能が既定で有効になると、既存のメールボックスはどうなりますか。
A. Clutter 機能を既に有効化している場合、引き続き有効に設定され、新しい通知が送信されます。まだ有効化していない場合は、自動的に有効化されます。以前 Clutter 機能を有効化した後に無効化した場合や、管理者がユーザーに代わって既に無効化した場合は、引き続き無効に設定されます。
Q. ユーザーが Clutter 機能を無効化することはできますか。
A.はい。ユーザーによる制御は引き続き可能です。Web 上の Outlook または Outlook 2016 Preview のオプション ページか、各通知の下部にあるリンクから無効化することができます。
Q. Clutter から通知が送信される頻度はどのくらいですか。
A.概要の通知は 1 週間に 1 回送信されます。アラートは、特定の配布リストからのメッセージが初めて移動された場合など、新しい種類のメッセージが Clutter フォルダーに移動されたときに 1 日につき 1 回まで送信されます。
Q. 受信トレイに通知が送信されるのはなぜですか。
A. Outlook デスクトップ クライアントやモバイル メール クライアントなど、どのクライアントを使用している場合にも Clutter の動作を常に把握できるようにするために、受信トレイに通知が届くようにしています。
Q. ユーザーまたは管理者が Clutter の通知メッセージをオプトアウトすることは可能ですか。
A.これらの通知は、Clutter フォルダーに移動されたメッセージをユーザーが常に把握できるようにするためのもので、Clutter 機能において重要な役割を果たします。このため、現時点では通知を無効化するオプションを提供していません。
Q. なぜ一部のユーザーでClutter cmdletが利用できないのですか。
A. 2015年5月26日時点でおおよそ2%のサーバーでcmdletのアップデートが終わっておらず、一部のユーザーで利用できなくなっています。順次アップデートをおこなっていきますので、後日改めてご確認ください。