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私たちはこれまで、Exchange Online や SharePoint Online、Lync Online のために Office 365を検討していました。しかしここでは、ますます多くのユーザーの関心を集めている新しい機能、SkyDriveをご紹介します。
マイクロソフト によれば、SkyDrive は個人用のファイル記憶域であり、Office や Windows と統合されています。ファイルと設定をコンピューター間で同期させることもできます。
では、SkyDrive Pro とは、いったいどのようなものなのでしょうか。どのように Office 365 をファイル記憶域として使用するのでしょうか?
Office 365 には、Exchange、SharePoint Online および SkyDrive Pro という 3 種類の記憶域があります。それぞれの記憶域の割り当て容量は以下のとおりです。
種類 | 記憶域 |
Exchange Online | メールボックス: 25 GB (SKU によって、アーカイブが追加されます) パブリックフォルダー: フォルダーあたり 25 GB (最大 100 フォルダー) |
SharePoint Online | 10 GB のプール + ユーザーあたり 500 MB |
SharePoint Online の SkyDrive Pro | ユーザーあたり 7 GB |
Office 365 の記憶域の種類
Exchange Online メールボックス– まず、Exchange メールボックスについて説明します。メールボックスは電子メールの保存に適していますが、ファイル記憶域には適していません。実際、保存できる電子メールの量を最大限にするには、電子メールで送受信するファイルの数をできるだけ抑える必要があります。ファイルの保存と共有にもっと適した別の場所があります。内部ユーザーとファイルを共有する場合は、ファイルを SharePoint のドキュメント ライブラリに置きます。公開リンクを介して外部ユーザーとファイルを共有する場合は、ファイルを SkyDrive Pro に保存します。いずれの場合も、それらのファイルへのリンクを記載した電子メールを送ることができます。また、ファイルが変更された場合は自動的に電子メールで更新通知を受け取るように、ドキュメントやライブラリに登録したり、それらをフォローしたりすることができます。これらのオプションについては、ここでは割愛します。
Exchange パブリックフォルダー– どこからお話ししましょうか。Exchange パブリック フォルダーは廃止され、もう二度と目にすることはないと聞きました。Exchange 2007 と 2010 ではパブリック フォルダーを葬るために全力を尽くしましたが、パブリック フォルダーは低級ゾンビ映画のように、至近距離から頭に 2 発銃撃を受けながらも復活を遂げました。現在 Exchange Onlineでは、パブリック フォルダーを最大 100 まで作成でき、それぞれ上限は 25 GB となっています。理論的には合計で 2.5 TB です。現実的には、各メールボックスを完全にいっぱいにすることはできないため、保存容量は合計で約 1 TB となります。
Exchange のパブリック フォルダーは何の保存に適しているでしょうか? ほとんどの場合は、共有する電子メール、連絡先および予定表でしょう。パブリック フォルダーに対してメールを有効にすることもできます。そうすると、共有メールボックスと同じように機能します。正直なところ、パブリック フォルダーの管理 GUI は、現時点では機能していますが、大規模組織向きではありません。パブリック フォルダーの管理には、PowerShellを使用できます。その場合使用できるオプションがいくつかあります。パブリック フォルダーでの PowerShell の使用については、この記事 を参照してください (英語)。
SharePoint– これが、マイクロソフトが Exchange 2003 以降、パブリック フォルダーのユーザーにデータを移行させようとしてきた場所です。もともとマイクロソフトは、SharePoint を売り込もうとしただけだと思いますが、Office 365 に統合された今、パブリック フォルダーの利用を開始しない理由はありません。SharePoint はドキュメントの共同作業に適した場所です。SharePoint にはほとんどの種類のファイルを保存できますが、いくつかの制限 があります。
SharePoint Online の重要な新機能の 1 つは、コンピューターにすべての Office スイートがインストールされているかどうかにかかわらず、Office Web Apps を介して、ブラウザー内から直接多くの Office ファイルを簡易編集できることです。また、クイック実行を使用してフルバージョンの Office プログラム をデスクトップにストリーミングできます。たとえば、ホテルで借りたコンピューターや、Office がインストールされている日常的に使用する PC 以外のデスクトップにストリーミングできます。作業が終われば、アプリケーションを終了するだけです。ソフトウェアのライセンスや消去について心配する必要はありません。
SharePoint Online にファイルを保存するには、次のような方法があります。
- ドキュメントライブラリにファイルを投稿する。
- ドキュメントセットを使用してテンプレートからいくつかのファイルを自動的に作成する。
- ドキュメントライブラリをローカルコンピューターと同期させ、ローカルと同期させたバージョンのファイルを保存する。
- いくつかの種類のファイルは直接 SharePoint リストと同期させたり SharePoint リストにインポートしたりすることができる (例: Excel スプレッドシートおよび Access データベース)。
- コンテンツを Wiki ページまたはリストに移動する。
Office 365 アカウントでは、SharePoint の基本記憶域として 10 GB が提供され、さらにユーザーアカウントごとに 500 MB が追加されます。追加記憶域は 1 GB あたり月額 17円で購入できます。この価格なら、記憶域の追加はかなりお得です。
以前のバージョンの Office 365 と SharePoint Online では個別に個人用サイトがあり、それぞれに記憶域が割り当てられていました。500 MB くらいだったと思います。現在個人用サイトを取得できますが、記憶域の機能はアップグレードされています。
SkyDrive Pro
以前はマイドキュメントと呼ばれていた個人用サイトの記憶域機能である SkyDrive Pro を、コンシューマー向け SkyDrive と混同しないでください (多くの人が混同しています)。SkyDrive は、マイクロソフトが Windows Live Mesh および Windows Live フォルダーの後継として提供する記憶域サービスです。SkyDrive Pro でも、過去の SharePoint Workspace (および Live Mesh) の、オフライン編集のためファイル同期を行う重要な機能が統合されています。
SkyDrive Pro では現在、最大 7 GB が提供されます。現時点ではこの容量を増やす方法はありませんが、マイクロソフトがこれに対応中だといううわさがあります。SharePoint の記憶域の追加と同程度の価格が予想されます。
SkyDrive Pro にはどのようなファイルでも置くことができます。SkyDrive Pro 内のドキュメントおよびフォルダーは、SharePoint Online 環境の内部と外部の両方のユーザーと共有できます。SkyDrive から共有を行う方法については、こちら を参照してください。
ところで、マイクロソフトによれば、個人用 SkyDrive と SkyDrive Pro を同時に実行できるそうです。
目的に合ったツール
Office 365 の記憶域オプションには、ほとんどの状況に対応するソリューションが揃っていますが、古いファイル サーバーを廃止するのはちょっと待ってください。大判プリンターに接続する AutoCAD やドキュメント管理システムのような共有ファイル記憶域へのローカル アクセスを必要とするアプリケーションを社内で使用している場合は、ネットワーク接続ストレージ (NAS) や実際のファイル サーバーがまだ必要です。そのファイル記憶域をこれらの方法で補完し、段階的なストレージ計画を利用することができます。大規模なバイナリファイル (ISO、ソフトウェア インストール パッケージなど) はファイル サーバーに、ドキュメントは SharePoint に、個人ファイルは (ネットワークのマイ ドキュメントの代わりに) SkyDrive に、というように保存することもできます。
さまざまな記憶域オプションのコストを評価し、価格に見合う機能を提供するものを見つける必要があります。Office 365 にデータを保存することは、継続的なバックアップと代替データセンターへの障害復旧が組み込まれた、可用性の高いクラウド ベースの記憶域を取得したことになります。クラウドで提供されない機能は、長期保存のために特定の時点に復元する機能です (ドキュメントのバージョン管理を使用している場合を除く)。データを直接管理する機能も提供されません。Office 365 の認定、検査、コンプライアンスおよびその他の機能が、データのセキュリティに関するお客様の懸念をほぼすべて緩和するはずです。しかし、いくつかの点において、クラウド サービスはまだ最善の答えではないかもしれません。