対象: 新Office365 Office 365 Enterprise
(このブログは The Exchange Team Blog に 2013 年 3 月 22 日に投稿された記事の翻訳です。)
Exchange Online と Exchange Server 2013 では、訴訟または捜査に備えてインプレース保持 を使用して、メールボックス コンテンツを保持できます。多くの組織では、組織を離れたユーザーのメールボックス データを保持することも必要です。
社内の Exchange 展開でこれを行うには通常、Active Directory ユーザー アカウントを無効にし、配布グループから削除するなどの操作を行い、そのメールボックスでの電子メールの送受信をなくし (配信制限の構成やメッセージサイズ制限の構成などを行い)、そのメールボックスがグローバル アドレス一覧 (GAL) に表示されないようにして、Active Direcory でユーザー アカウントのアカウント有効期限日も設定します。非アクティブなメールボックスにクライアント アクセス ライセンス (CAL) は必要ないため、ライセンス コストを考慮する必要はありません。
Exchange Online では、組織を離れたユーザーのメールボックスは管理者が削除します。ただし、メールボックスを削除してしまうと、(以前のバージョンの複数のメールボックスの検索 を使用した) 電子情報開示 (eDiscovery) 検索にそのメールボックスを含めることができなくなります。さらに、メールボックスは削除後 30 日経過すると Exchange Online から完全に削除され、回復できなくなります。複数のメールボックス検索を行うには、メールボックスがアクティブになっている必要があります。つまり、電子情報開示用のデータ保持期間中は、そのメールボックスで Exchange Online または Office 365 プランが契約されている必要があります。
注: Microsoft Outlook を使用してメールボックス データを PST ファイルにエクスポートし、メールボックス データをオフラインに保存して、メールボックスを削除することができます。ただし、電子情報開示の検索を行う必要がある場合、そのデータを Exchange Online メールボックスにインポートし直さなければならないことがあります。
非アクティブなメールボックス
新しい Exchange Online では、組織を離れたユーザーを処理するために非アクティブなメールボックスという概念が導入されました。電子情報開示を容易にする (保持またはビジネス要件を満たす) ために、組織を離れるユーザーのメールボックス データをしばらく保持する必要がある場合、メールボックスの削除前にそのメールボックスをインプレース保持の状態にすることができます。これにより、メールボックスを保持しながら、メッセージの送受信をできなくし、GAL や他の受信者リストに表示されずユーザーには見えなくします。非アクティブなメールボックスはインプレース電子情報開示 (eDiscovery)検索に加えることができます。非アクティブなメールボックスには Exchange Online や Office 365 プランのライセンスは必要ありません。
電子情報開示、保持などのビジネス要件が満たされ、メールボックスのコンテンツを保持する必要がなくなった場合、このメールボックスをインプレース保持の対象から除外できます。保持から除外すると、Exchange Online の通常のメールボックス削除メカニズムが再開します。つまり、メール ボックスは削除後 30 日経過すると完全に削除されます。メールボックスが削除後 30 日未満である場合、30 日の経過を待って完全に削除されます。
詳細については、Exchange Online ドキュメントの「非アクティブなメールボックスの管理」を参照してください。
非アクティブなメールボックスは、E3、E4、A3、A4、G、および Exchange Online P2 プランで、2013 年 3 月より提供が開始されます。