対象: 新Office365 Office 365 Enterprise, Office 365 Small Business, Office 365 Midsize Business
(この記事は 2014 年 5 月 6 日に Office Blogs に投稿された記事 New updates for Power Queryの翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
Power Query チームの尽力により、魅力的な多数の新機能が Power Query に追加されました。更新版は、こちらのページからダウンロードできます。
今回の Power Query の更新では、下記のような新機能が追加されました。この記事では、各機能の詳細について説明します。
- 新しいデータ ソース
- SAP BusinessObjects BI のユニバース機能への接続が可能なプレビュー機能を更新
- ブックのテーブルと名前付き範囲へのアクセスが可能
- クエリの読み込み設定の改良
- [Options] ダイアログの読み込み設定の既定値がカスタマイズ可能に
- ワークシートの制限を超過した場合に、クエリをデータ モデルに読み込むことを自動的に提案
- データ モデルに読み込まれているクエリの、ワークシートへの読み込み設定変更時にデータ モデルのデータを保持
- Excel でのクエリの更新動作の改良
- カスタム列、条件付き書式の設定、ワークシートのテーブルで実施したその他のカスタマイズを保持
- 新たに更新作業を実施して失敗した場合に、以前のクエリ更新の結果を保持
- クエリ エディターの新しい変換機能
- 下位の行の削除
- 上方向へのコピー
- [Insert] タブで使用できる新しい [Statistics] 操作
- 操作性に関するその他の機能強化
- [Workbook Queries] ウィンドウでのクエリの並べ替えが可能に
- クエリ エディターでプレビューの更新をキャンセルするオプションをよりわかりやすく表示
- キーボード操作による [Steps] ウィンドウでの移動と名前変更をサポート
- [Filter Column] ドロップダウン メニューでエラー内容の表示とコピーが可能に
- ナビゲーターの [Selection Well] からアイテムを直接削除可能に
- サービス エラーについての問題点を報告可能に
SAP BusinessObjects BI のユニバース機能への接続 (プレビュー)
この接続機能は、4 月ごろに単体のプレビュー機能としてリリースされたものです。今回のリリースでは、SAP BusinessObjects BI のユニバース機能に接続するプレビュー機能を Power Query の主要なダウンロードの一部として組み込み、簡単に利用できるようにしました。Microsoft Power Query for Excel から SAP BusinessObjects BI のユニバース機能に接続すると、企業全体のデータの検索や分析を簡単に行えます。
Excel ブックのテーブルと名前付き範囲へのアクセス
[From Excel Workbook] の機能を使用して、外部ブックのシートにあるテーブルや名前付き範囲に接続できるようになりました。以前は、外部ブックから有効なデータを選択する作業はシート単位でしか行えなかったため、データを取得するには (クエリの変換操作により) 手動で作業する必要がありましたが、この機能を使用すればプロセスを簡素化できます。
[Options] ダイアログの読み込み設定の既定値がカスタマイズ可能に
Power Query の [Options] ダイアログで、既定の読み込み設定を上書きできるようになりました。これにより、単一テーブルのインポート モードにおけるナビゲーターのタスク ウィンドウやオンライン検索結果など、ユーザーに直接公開されていない範囲の読み込み設定について、新規クエリに対する既定の読み込み設定の動作が設定できます。さらに、読み込み設定の既定の状態を設定し、それをクエリエディターや複数テーブルのインポート モードのナビゲーターなどで使用することができます。
カスタム列、条件付き書式の設定、ワークシートのテーブルで実施したその他のカスタマイズを保持
今回の Power Query の更新では、Excel のカスタム列や条件付き書式の設定、ワークシートのテーブルで実施したその他のカスタマイズが、クエリを更新した後も保持されるようになりました。データ バー、カラースケール、アイコン セット、その他の値に基づくルールなどのワークシートのカスタマイズが、更新操作全般において、また、クエリ編集後も Power Query で保持されます。
新たに更新作業を実施して失敗した場合に、以前のクエリ更新の結果を保持
更新に失敗した場合に、Power Query が以前のクエリ結果を保持するようになりました。これにより、更新直前のワークシートやデータ モデルのデータを作業に使用し、エラーの原因を修正した後にクエリ結果を更新することが可能です。
ワークシートの制限を超過した場合に、クエリをデータ モデルに読み込むことを自動的に提案
大きなサイズのデータを扱っていると、Excel ワークシートのサイズ制限に達してしまう場合があります。このような場合に、クエリ結果のデータ モデルへの読み込みを Power Query が自動的に提案します。データモデルには、非常に大規模なデータ セットを格納できます。
データ モデルに読み込まれているクエリの、ワークシートへの読み込み設定変更時にデータ モデルのデータを保持
クエリのワークシートへの読み込み設定を変更したときに、Power Query がデータ モデルのデータやアノテーションを保持します。従来は、ワークシートとデータ モデルのどちらか一方の読み込み設定を変更すると、Power Query によって両方のクエリ結果がリセットされていました。
下位の行の削除
特に Web やその他の半構造化データ ソースからデータをインポートしたときには、末尾の数行が前後のページへのリンクやコメントといったデータセットに属さないコンテンツに使用されていて、そうした行の削除が必要になる場合が多く見受けられます。従来、この処理は Power Query で独自の式を作成しなければ実行できませんでしたが、Table.RemoveLastN() というライブラリ関数を追加し、クエリ エディターのリボンの [Home] タブにボタンを追加すると、この機能を簡単に実行できるようになります。
上方向へのコピー
従来の Power Query では、列内で隣り合う空のセルに対して下方向に値をコピーする機能が既にサポートされていましたが、今回の更新では、新たにこの機能を上方向にも使用できるようになりました。Table.FillUp() という新しいライブラリ関数と、クエリ エディターのリボンの [Home] タブに表示されているボタンを使用すると、この新しい機能を実行することができます。
[Insert] タブで使用できる新しい [Statistics] 操作
[Insert] タブでは、独自の式、または他の列から導いた値を使用して、さまざまな方法で新しい列をクエリに挿入できます。今回の更新では、異なる列、行ごと、およびテーブル内の値に基づいて、新たに [Statistics] 操作を適用できるようになりました。
[Workbook Queries] ウィンドウでのクエリの並べ替え機能
最新の Power Query では、[Workbook Queries] ウィンドウでクエリの順序を上下に移動させることができるようになりました。クエリを右クリックし、[Move Up] または [Move Down] を選択して、クエリの並べ替えが行えます。
クエリ エディターでプレビューの更新をキャンセルするオプションをよりわかりやすく表示
キャンセル オプションが、クエリ エディターのダイアログ内で従来よりもわかりやすく表示されるようになりました。リボンの [Refresh] ドロップダウン メニューで表示されるほ���、クエリ エディターの右下隅のステータス バーで、ダウンロードの状態を示す情報の隣にも表示されます。
キーボード操作による [Steps] ウィンドウでの移動と名前変更をサポート
クエリのステップ間を移動する際、上方向/下方向キーが使用できるようになりました。また、選択中のステップの名前を変更するときに、F2 キーを使用できます。
[Filter Column] ドロップダウン メニューでエラー内容の表示とコピーが可能に
[Filter Column] メニュー内で、簡単にエラーの詳細情報を表示し、コピーできるようになりました。この機能は、フィルターの値を取得する際にエラーを解決するうえで非常に便利です。
ナビゲーターの [Selection Well] からアイテムを直接削除可能に
ナビゲーターのツリーで元のアイテムを探して選択を解除する代わりに、[Selection Well] からアイテムを直接削除できるようになりました。
サービスエラーについての問題点を報告可能に
マイクロソフトでは、Power Query のすべての機能の品質を向上するべく全力で取り組んでいますが、エラーの発生を完全に防ぐことはできません。今回のリリースで、エラーが発生したサービスのエクスペリエンス (検索結果プレビューの取得やデータ カタログからのクエリのダウンロードなど) から問題点を直接報告できるようになりました。これにより、マイクロソフトは、失敗したサービスの要求とクライアントの状態について十分な情報を手に入れ、問題を解決することができます。
今回の更新についての説明は以上です。Power Query の新機能が、皆様のお役に立てるようでしたら幸いです。ご質問やご意見がございましたら、お気軽に Power Query のフォーラム (英語)へご投稿ください。また、ご満足いただけた点やご不満な点を電子メールでお送りいただけます。
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