対象: 旧Office 365 Office 365 for Enterprise, Office 365 for Small Business, Office 365 for Education
新Office 365 Office 365 Enterprise, Office 365 Small Business, Office 365 Midsize Business
Exchange Online で予定表の運用を開始する際に、最初に検討する必要があることは以下の通りです。
- 既定の状態での各ユーザーの予定表の他のユーザーからのアクセス権の設定
- 会議室や備品メールボックスの作成と運用ルールの設定 (自動承認か管理のための代理人をつけるか)
- 会議室/備品用の配布グループの作成
会議室や備品のこの記事では、これらの必要事項について順々に見ていきたいと思います。
既定の状態での各ユーザーのアクセス権設定
Outlook の予定表については、既定の状態では予定のあるなしだけが分かり、予定の内容までは見えないようになっています。
他のユーザーの予定表を並べて表示した場合は、以下のように見えます。
会議リクエストを送る場合も、以下のように予定のあるなしのみが表示されます。
ただし、お互いに予定の内容までを知っておきたい間柄の場合は、特定の人だけにより詳しい予定の内容を公開するようにアクセス権を変更することもできます。また、職種上、自分の予定の内容を広く公開する必要がある場合などは、自分の予定の詳細を不特定多数に公開することもできます。
予定表のアクセス権変更には、ユーザー自身が行う方法と管理者がまとめて行う方法があります。まずは、ユーザー自身が自分の予定表のアクセス権限を変更し、他のユーザーの予定を参照する方法をビデオで見てみましょう。
Outlook 2010 と Outlook Web App における予定表の共有 (OWA はサービスアップグレード前)
Outlook 2013による予定表アクセス権設定
Outlook 2013: 予定表の招待状を送る
Outlook Web App による予定表アクセス権設定
Outlook 2013 で他人の予定を並べて表示
Outlook Web App で他人の予定を並べて表示
予定表のアクセス権があるユーザーからは、以下のように予定が見えます。
次に管理者がユーザーの予定表アクセス権を設定する方法を見てみましょう。管理者は PowerShell を使ってユーザーの予定表アクセス権の設定をできます。これは、サービスアップグレード前でも後でも同様のコマンドで実施することが可能です。Set-MailboxFolderPermissionコマンドは、user@contoso.com というユーザーの予定表フォルダー (:\予定表)に対して、ユーザー全員 ("既定" または "Default")に「空き時間情報と件名 (LimitedDetails)」のアクセス権を設定します。
Set-MailboxFolderPermission -Identity user@contoso.com:\予定表 -User Default -AccessRights LimitedDetails |
複数のユーザーがいる場合は、以下のように実行します。
Import-CSV users.csv | Set-MailboxFolderPermission -User Default -AccessRights LimitedDetails |
ここで、users.csv には以下のように記載しておきます。一行目はフィールド名で "Identity"としておきます。
注: users.csv は UTF-8 のエンコードで保存してください。また、「予定表」はフォルダー名が日本語の場合の表現であり、日本語以外のフォルダー名を利用しているユーザーには、各国語の "Calendar" に当たる単語を配置しておく必要があります。
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これで、user1.contoso.com、user3@contoso.com、user4@contoso.com の予定表に対して、ユーザー全員に指定したアクセス権限を提供します。
会議室や備品メールボックスの作成と運用ルールの設定
それでは2つ目の、会議室や備品メールボックスに関係する初期設定についてみてみましょう。会議室メールボックスと備品用メールボックスについては、運用ルールに2通りの方法があります。ひとつは、ユーザーが会議出席依頼を出してきたときに、自身の空き時間情報をもとに「自動的に承認/拒否を返信する」というオプションです。もうひとつは、会議出席依頼が来た時に、あらかじめ指定してある代理人にメールが飛んで、人が判断する、という方法です。
メールボックスのオプションでは、この2つを選択できます。(以下はサービスアップグレード後の画面です)
一般的には、通常の会議室や備品については自動にしておき、来客用会議室や特別な会議室など、柔軟な運用が必要だったり、予約できる人が制限されている会議室や備品については代理人を設定しておくことをお勧めします。
具体的な操作方法については、以下のヘルプトピックを参照してください。
サービスアップグレード前
サービスアップグレード後
会議室/備品用の配布グループの作成
3つ目の、会議室/備品用の配布グループですが、実際に会議室/備品予約の運用をするにあたり、会議室/備品をすべて集めた配布グループ、および拠点や階ごとなどの配布グループなどを作成しておくとユーザーが会議室/備品予約をする際に便利です。
たとえば、以下のように「会議室/備品」という名前の配布リストを作成し、会議室と備品を追加しておきます。
ユーザーがあらかじめ、自分の予定表から、この「会議室/備品」配布グループを、表示する予定表に追加しておくと、会議室/備品の空き時間情報を予定表ビューから見ることが可能です。
これにより、迅速な会議室/備品予約が可能になります。