対象: 新Office365 Office 365 Enterprise, Office 365 Business, Office 365 Education
(この記事は 2015 年 4 月 8 日に Office Blogs に投稿された記事 Introducing Exchange Online Advanced Threat Protectionの翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
今回は、Office 365 チームでテクニカル プロダクト マネージャーを務める Shobhit Sahay が Exchange Online について執筆した記事をご紹介します。
現在 Office 365 では、Exchange Online Protection (EOP)により、スパムやウイルス、マルウェアに対する堅牢な電子メール保護機能を提供しています。しかし、世界中のハッカーによる攻撃はますます高度化しており、多くの企業からさらに詳細な保護機能を備えたツールが求められています。こうした状況に対応するために、マイクロソフトは新しい電子メール フィルタリング サービス「Exchange Online Advanced Threat Protection (ATP)」のリリースを決定しました。このサービスでは、特定の種類の高度な脅威に対する追加的な保護機能をご利用いただけます。ATP は現在プライベート プレビュー段階にあり、今夏には Office 365 の法人ユーザー向けにオプション サービスとしてリリースされる予定です。
それでは、Exchange Online ATP の機能について見ていきましょう。
- 未知のマルウェアやウイルスに対する保護:現在 EOP では、既知のマルウェアとウイルスに対し 3 種類のエンジンを使用して堅牢な階層型のウイルス対策保護を提供しています。ATP では「Safe Attachments」と呼ばれる機能によりこの保護機能を拡張し、未知のマルウェアやウイルスに対する保護機能、およびゼロデイ攻撃への対策機能を提供して、お客様の電子メール システムの安全を確保します。既知のウイルスやマルウェアのシグネチャが含まれていないメッセージと添付ファイルは、すべて特別なハイパーバイザー環境にルーティングされます。そこでさまざまな機械学習や分析の手法によって挙動が分析され、悪意のある動作が検出されます。特に不審な活動が検出されない場合は、メッセージがメールボックスに配信されます。
- 悪意のある URL に対してクリック時の保護をリアルタイムに提供: EOP では Office 365 とのデータ通信時にそれぞれのメッセージをスキャンし、配信時の保護機能でメッセージ内の悪意のあるハイパーリンクをブロックします。しかし、攻撃者は安全に見えるリンクの中に悪意のある URL を隠すことがあり、このようなメッセージを受信して URL をクリックしてしまうと、転送サービスによって危険なサイトにリダイレクトされます。ATP の Safe Links 機能では、このようなリンクがクリックされた場合に備え、プロアクティブな保護機能を提供します。この保護機能はリンクをクリックするたびに機能し、悪意のあるリンクを動的にブロックしながら、安全なリンクにアクセスを許可します。
- リッチなレポート作成機能と URL トレース機能: ATP では、リッチなレポート作成機能と追跡機能も提供されており、企業内のどのユーザーが標的になっているか、どういった種類の攻撃を受けているかなどについての重要なインサイトが得られます。レポート作成機能とメッセージ追跡機能により、未知のウイルスやマルウェアが原因となってブロックされたメッセージを調査できます。また、URL トレース機能では、メッセージ内の悪意のあるリンクがクリックされた場合に、各リンクについて追跡することが可能です。
以下の Office Mechanics では、これらの機能について詳しく説明しています。
(Please visit the site to view this video)
この新しいサービスを皆様にご活用いただけますと幸いです。皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。
—Shobhit Sahay
よく寄せられる質問
Q: 新サービスの購入方法と料金について教えてください。
A: Exchange Online ATP は、すべての法人のお客様に 1 ユーザーあたり月額 2 ドルでご購入いただけます。また、政府機関ユーザーの皆様は 1 ユーザーあたり月額 1.75 ドルでご購入いただけます。
Q: Office 365 政府機関コミュニティ クラウド (GCC)、Office 365 Education、Office 365 Nonprofit のユーザーは、このサービスを使用できますか。
A:リリース時は、Office 365 をお使いの一般企業、およびマルチテナントの政府機関 (政府機関向け料金適用) のお客様のみへのご提供となります。Office 365 政府機関コミュニティ クラウド (GCC)、Office 365 Education、Office 365 Nonprofit のお客様には、このサービスをご利用いただけません。
Q: この機能のリリース予定日を教えてください。また、早期利用はできますか。
A:現在、ごく一部のお客様にプライベート プレビューとしてサービスを提供中です。ご興味をお持ちのお客様は Microsoft アカウント チームを通じてご連絡ください。一般提供の開始時期は、現時点で今夏を予定しています。
Q: Exchange Online ATP を組織の一部のみに適用することはできますか。それとも、組織全体でしか利用できないのでしょうか。
A: ATP は、ユーザー全員でも特定のグループのみでも利用できます。
Q: オンプレミス ユーザーはこの新しいサービスを利用できますか。
A:はい、オンプレミスのお客様も、電子メール受信時のフィルタリングに Exchange Online Protection (EOP) を使用している場合はこのサービスをご利用いただけます。