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OneDrive, OneDrive for Business, Office 365, SharePoint の違いは?

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対象: 新Office365 Office 365 Enterprise, Office 365 Small Business, Office 365 Midsize Business

 

(この記事は 2014 年 5 月 14 日にビジネスプロダクティビティブログに掲載された記事のクロスポストです)

 

1 年前に「SkyDrive と SkyDrive Pro の違いは?」という記事を書きましたが、おかげさまで大変好評をいただきました。クラウド ストレージは、メールと並んで最も馴染みのあるクラウド サービスだと思います。この分野は市場の変化が大変激しく、多くのクラウド ベンダーがしのぎを削っているところでもあります。マイクロソフトでも、サービス名を SkyDrive から OneDrive に変更したり、ストレージの大きさ提供方法の変更マルチプラットフォーム化など、様々な変更が加えられました。今回の記事では、これらの変更点を踏まえて、改めて無料の OneDrive、有料の OneDrive for Businessをはじめとするサービスの違いについて解説したいと思います。

 

OneDrive とは?

OneDrive for Business の話をする前に、まず前からある無償の OneDrive がどういうサービスかということについて、おさらいしておきましょう。

 

OneDriveは、もともと、一般消費者向けの無償クラウドサービスのブランドである Windows Live サービスの 1 つとして 2008 年から日本でもサービスを行っている大容量クラウド ストレージサービスです。アカウントを作成することで、無償で 7 GB のディスク容量をクラウド上に持つことができます。Windows や Office と統合される機能を持っていることが特長で、Office ファイルをアップロードすると、Office Web Apps で閲覧や編集を行うことも可能です。Windows PC、Mac、タブレットデバイスなどからブラウザーで利用するのが基本的な使い方ですが、OneDrive アプリを入手することで、Windows PC ではエクスプローラから利用、Mac では Finder から利用、Windows Phone、iPhone、iPad、Android では専用アプリからのアクセスが可能となります。

Windows においては、Windows Vista、Windows 7、Windows 8 においてエクスプローラとシェル統合を行うことができます。OneDrive と Windows PC を同期する設定を行うと、既定では、マイプロファイルフォルダーの下に「OneDrive」というフォルダーが作成され、クラウド上の OneDrive にあるファイルとローカル PC 上にあるファイルが双方向で同期されます。

 

OneDrive for Business とは?

OneDrive for Business は、一般消費者向けの OneDrive で提供している機能を、法人・団体向け管理者が中央から管理がきちんとできるように提供する仕組みです。OneDrive の機能は便利ですが、企業で利用する場合、意図しない形で情報が共有され情報漏えいしてしまったり、サービスが無断で中断されたりということがないように、企業で利用するに足りる条件を付加したものが OneDrive for Business であると考えてください。

つまり、一般消費者向けの OneDrive に対応する企業向け機能が OneDrive for Business です。前者は無償であり、後者は有償ですが、なぜそういう違いが出てくるのかについてはブログ記事「一般消費者向けクラウドと企業向けクラウドの本質的な違い」をご覧ください。

それでは、OneDrive for Business の提供機能の詳細についてみていきましょう。

OneDrive for Business は、いままで SharePoint で提供されてきた「個人用サイト (My Site)」の中のドキュメント ライブラリの名称について、SharePoint 2013 になって、一般ユーザーにもわかりやすい名前をつけたものになります。ここで「SharePoint 2013」と言っている理由は、これはクラウドだけの機能ではなく、内部設置型の SharePoint Server 2013 においても、個人用サイトの中のドキュメント ライブラリのことを同じ名前で呼ぶからです。(※ 内部設置型では引き続きしばらく SkyDrive Pro という旧名称がつかわれますが将来的には変更される予定です)

下のスクリーンショットは Office 365 の SharePoint Online のものになります。上のナビゲーションの中に「OneDrive」というメニューがあります (OneDrive for Business とは記載されていない) が、これを選択すると、自分の OneDrive for Business にアクセスできます。

個人用サイトの容量は、最近 1TB に増量されました

使える基本機能は一般消費者向けの OneDrive と似ていますが、99.9% の稼働率を保証するサービスレベル契約 (SLA) がついているのに加え、SharePoint テクノロジーに基づいて作られていますので、Office ファイルのクイックプレビューやバージョン履歴の保持、チェックイン/チェックアウト、ワークフロー連携や、管理者による機能制限やポリシーの適用まで、会社組織で利用するのに足る信頼性と組織化された管理機能を提供します。

 

さまざまなデバイスとの連携については、Windows 7/8 については、Office 2013 / Office 365 ProPlus の中に OneDrive for Business アプリが含まれており、エクスプローラとシェル統合を行うことができます。OneDrive と Windows PC を同期する設定を行うと、既定では、マイプロファイルフォルダーの下に「OneDrive for Business」というフォルダーが作成され、クラウド上の OneDrive for Business にあるファイルとローカル PC 上にあるファイルが双方向で同期されます。この辺は OneDrive と似ています。単体でのダウンロードも可能です。ちなみに、Office 2013 世代から SharePoint Workspace がなくなりましたが、この OneDrive for Business と OneDrive for Business アプリで共有のシナリオを代替していただくことになります。共有は P2P ではなく、あくまでも SharePoint サイトを基点にして行われ、SharePoint サイトからローカル PC にも同期されます。(トリビアとしては、この OneDrive for Business アプリの実行ファイルは groove.exe となっており、SharePoint Workspace の後継機能であることをうかがわせています。)

  

Mac と Android については、現時点ではまだ発表がありません。今後の動向にご注目ください。

 

SharePoint, Office 365 と OneDrive for Business の違いは?

SharePoint には、チームサイトの中にもドキュメント ライブラリがありますが、OneDrive for Business との使い分けは、OneDrive for Business は組織の中においての自分管理のドキュメント (組織内個人としてのドキュメント) の置き場所、チームサイトなどでは、プロジェクトメンバーや全社員と共有することが前提のドキュメントを置いておく、といった具合に行います。また、提供形態としては、従来は OneDrive for Business だけの機能を利用したくても SharePoint Online または Office 365 スイートを購入する必要がありましたが、2014 年 4 月から OneDrive for Business with Office Online という単体のサービスが購入できるようになりました。

OneDrive for Business、SharePoint Online、Office 365 はそれぞれカバーしている機能の範囲が異なります。いずれも「組織内個人ストレージ」の機能は持っていますが、ほかにも機能がついています。

 

OneDrive と OneDrive for Business の機能比較表

いままで文章で説明してきたことを簡単に表にまとめてみました。表で一覧にすると、理解も深まると思いますので、ご活用ください。

機能 OneDrive OneDrive for Business
(クラウド)
 OneDrive for Business
(内部設置)
 基本機能
 アカウントMicrosoft アカウントOffice 365 ID Active Directory
 1 ユーザーあたりの利用可能容量7 GB
(有料で 100 GB まで追加可能)
1 TB
(調整可能)
100 MB
(調整可能)
 サービスレベル契約 (SLA)なし99.9% 返金制度あり運用者次第
 ファイル
 アップロードできるファイルの最大サイズ

300 MB
(アプリを使うと 2 GB)

2 GB2 GB
 禁止されているファイルの種類.EXE など ブロックされるファイルの種類 ブロックされるファイルの種類
(調整可能
 ドラッグ&ドロップによるアップロード

あり
(Siliverlight を利用)

あり
(Office 2013 付属の ActiveX またはHTML5対応ブラウザ機能を利用)
あり
(Office 2013 付属の ActiveX またはHTML5対応ブラウザ機能を利用)
 ドラッグ&ドロップによるダウンロードなしあり
(Office 2013 付属の ActiveX を利用)
あり
(Office 2013 付属の ActiveX を利用)
 ごみ箱ありありあり
 Office Online による閲覧/編集ありありあり
 Office ファイルのクイックプレビューなしありあり
 バージョン履歴なしありあり
 チェックイン/チェックアウトなしありあり
 ワークフロー連携なしありあり
 共同作業
 Office ファイルの共同編集ありあり あり
 外部ユーザーとのファイル共有ありありあり
 管理機能
 機能の無効化なしありあり
 ポリシー準拠の設定なしありあり
 共有範囲の制限なしありあり
 SharePoint 2013 その他の統合・管理機能なし一部ありあり
 アプリ
 Windows Explorerあり (ダウンロード)Office 2013 に同梱、
単体も提供  (ダウンロード)
Office 2013 に同梱、
単体も提供  (ダウンロード)
 Windows 8 ストアアプリあり (ストア)あり (ストア) なし
 Macあり (ダウンロード)開発中 (2014 年中予定)  未発表
 iPhone/iPadあり (ストア)あり (ストア)なし
 Androidあり (ストア)未発表 未発表
 Windows Phone (Office ハブ)あり (ストア) 標準対応 標準対応

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