対象: 新Office 365 Office 365 Enterprise, Office 365 Midsize Business
(この記事は 2013 年 9 月 4 日に The Exchange Team Blogs に投稿された記事の翻訳です)
従来のパブリック フォルダーをExchange Onlineの新型パブリック フォルダーに移行するのが、より簡単になりました。まず、従来型のパブリック フォルダー用のメールボックス容量を25GBから50GBへ増量いたしました。さらに、Exchange Onlineの新型パブリック フォルダー用の標準ストレージの容量も約2.5TBまで増量いたしました。また、Exchange Server 2003をご利用いただいているお客様向けにExchange Server 2010 のハイブリッド環境のご利用を通じてパブリック フォルダーをExchange Onlineに移行していただけるようにいたしました。これらの変更のメリットと影響についてご覧ください。
Exchange Onlineのパブリック フォルダー用のメールボックス容量の増量
パブリック フォルダーのメールボックス容量が増量されることで、従来よりもさらに大きなデータを新型パブリック フォルダーに格納することが可能となります。 各テナントにつき50のパブリック フォルダー用のメールボックスが付与されクォータはそれぞれ50GB割り当てられます。このように、Exchange Onlineのご利用によりクラウド上に2.5TB分のパブリック フォルダーデータを持つことが可能となります。これまで移行に伴い、1.25TBを超えての利用ができないという制限がございましたが今回の更新により改善されました。
このメールボックスサイズの増量によりパブリック フォルダー単体あたりのサイズは増加しません。移行前にお客様ご自身でパブリック フォルダー単体の容量を15GBまでに制限されることを引き続き推奨しております。これには2つの理由があります。これにより、お客様は最良のサービスエクスペリエンスを得ることができ、さらに移行時にパブリック フォルダーを分割しなければいけなくなる状況を回避できます。本制限は、フォルダー1つについてであり、下の階層のフォルダーの容量は対象に含まれておりません。現在のパブリック フォルダーの容量をご確認いただき必要に応じて大きな単一のパブリック フォルダーの分割や削除を行っていただき最適化を図るようにしてください。
サービス強化がなされても、お客様はサービス管理者として管理をすることができます。パブリック フォルダーのメールボックス クォータを減らす制御を行うことができます。ただし、サービスの中ではクォータに50GBを超える値を設定することはできません。
Exchange Onlineでは、パブリック フォルダーメールボックスクォータは管理されています。システムによる監視や自動的にパブリック フォルダーの分割を発動することで、サービス内でパブリック フォルダー メールボックスを最大限活用することができるようになっています。分割はサービスによって管理され、ユーザーやサービス管理者から確認できるようになっています。また、分割プロセスにより、すべてのパブリック フォルダー メールボックスをサービス制限範囲内に保ちます。
Exchange Server 2003の パブリック フォルダーの移行
この変更により、お客様は Exchange Server 2003からExchange Onlineに移行しやすくなります。前に述べたように、Exchange Server 2003 のパブリック フォルダーは直接Exchange Onlineに移行することはできません。Exchange Server 2010 SP3 のハイブリッド環境を利用して、既存のパブリック フォルダーを移行用にハイブリッド サーバーにホストすることが可能となりました。このExchange Onlineへの移行方法では、 既存パブリック フォルダーのレプリカをハイブリッド サーバーに移動させる必要があり、Exchange 2003にレプリカは残りません。ハイブリッド サーバーにつかえるプロダクトキーを複数ご用意できますので、パブリック フォルダーをオンプレミスと共存させる際に高可用性を維持してご利用いただくことができます。この場合のExchange 2010 ハイブリッド サーバーの利用範囲は、パブリック フォルダーをExchange Onlineに移行するなど、オンプレミスExchange のパブリック フォルダーの一時的なホスティングに限ります。ハイブリッド サーバー用のプロダクト キーをご希望のお客様はOffice 365 サポートまでお問い合わせください。
パブリック フォルダーの今後の展望
パブリック フォルダーのプロビジョニングにおける追加の管理方法のご提供に向け準備を進めております。今後、New-PublicFolderコマンドを拡張することにより、既存または新規のパブリック フォルダーやメールボックスを指定できるようにして、管理者がパブリック フォルダーの移行先を制御できるようになることで、移行後すぐに分割プロセスが必要になる状況をさけられるようになります。特にPSTベースのパブリック フォルダー移行の際に大変役立ちます。
パブリック フォルダーに関する情報
パブリック フォルダー移行に関する詳細情報はTechNetの記事「Exchange Onlineのパブリック フォルダー」をご参照ください。
パブリック フォルダー機能の開発グループおよび、この記事の内容に貢献し、検証をしていただいたBrian Day氏に感謝いたします。
Brian Shiers